四季折々の風情が繊細と謳われていた日之本の気候が
随分と落ち着きがなくなってどのくらいになるものか。
平地の大々的な舗装化とか、
地球温暖化の最たる悪影響、島国を取り巻く海水温の上昇とか、
色々と素因はあるだろうが、
「わぁあっっ!」
大きな堅いもの同士がぶつかり合ったような、ごつっという鈍い音と共に、
華奢な少女の肢体が宙を舞う。
危険物が当たったわけではないようだが、その衝撃波に弾かれたようで、
小雨が降りしきる中のような霧の舞う中空に放り出された少女は、
「……っ!」
そのまま叩きつけられそうだった岩壁へ素早く横ざまに両足をつくと、
反動をつけて何とか90度真下の眼下へ無事に着地する。
瞬時の判断と空間把握、それへ沿うた咄嗟の身ごなしが出来ればこその鮮やかな対処だ。
そんな彼女の頭上に広がるのは青空で、
雨のように舞っているのは、そこここから噴き出しているやら湧き出しているやらな地下水だ。
今日本日の此処の状況だけは、異常気象とはちと関係がないようなので念のため。
「物質変化というよりは、広津と同じ“斥力”の異能者らしいな。」
触れてか念じてか、物を反発させる力を操れるようで、
ちょっとした石や箱どころか、
地盤である岩盤さえ弾き飛ばせるらしいから結構なもの。
そのせいで 古びたそれとはいえ頑丈さでは類を見なかろう港湾施設の一角、
煤けたアスファルトとコンクリが幾重にも分厚く張られた埠頭跡を、
ようよう捏ねて柔らかくした粘土かゼラチン質のようにうねうねと隆起させたり陥没させたり、
そこいらにころがっていた錆びた鉄骨を砲弾のように飛ばしたりと、
スペクタルな大巨編映画も真っ青な状況をリアルで展開させてくれやがっておいでで。
液状化現象から地下の水脈が乱れたか、何だったら水道管がひしいでか、
地面からの雨状態になっている模様。
「…、……っ、がぁぁああっっ!」
それをやらかしている問題の人物がいる方を睨みつつ、対処のために展開している顔ぶれは、
一般人が近寄らないようにという格好で、遠巻きになっている幾重もの人垣の方々を除けば主要4人のみ。
最初は爆発が起きているようだとか、出火しているようだという通報があり、
それでと至近の消防と軍警の部隊が駈けつけて発見したのが、この惨状。
人がいない地域での発生という辺り、自身の“異能”がどれほどなのかの検証でもしていたものか、
何だか不思議なことが出来る、でもこれってなんだろうと、最初はその程度だったのかもしれない。
都市伝説で囁かれている“異能力”は、実は市井へも結構広まってはいて、
もしかして…とそれへ思いが至る者も少なくはない。
これもまたそれゆえのことなのだろうが、
それがこうまでのレベルだとはさすがに思わなんだのか。
本人の意思による制御はどこまで可能だったやら。
20代でこぼこの男性なようだが、
目を剥き、奇声を上げて取り乱している辺り、もはや本人にも収拾がつけられない様相らしいと偲ばれて。
公認する気が無いならば、都市伝説へもチェック入れろよ政府広報とか、
そういうマクロなことを言ってる場合じゃアない。
当事者へも周辺へも一発鎮火が必須という事態であり、
突貫での対処に一番手馴れている顔ぶれへの通報がホットラインにて発動されての、この現場。
「中也、あんたの重力で叩き伏せられないの?」
「さっきからやってるよ。」
やや手入れの悪いくせっ毛を
トレンチ風ロングコートにセミタイトスカートというマニッシュな装いの背にまで下ろした、
長身美麗なナイスバディのお姉さまが、細い眉寄せて閉口気味な声を掛けたお相手。
丁度通路の左右に分かれていた立ち位置の向かい側におわすのは、
馴れ馴れしい口調で通じ合う、元相棒のお姉さま。
ヨコハマ随一、何なら異能世界の代表と言ってもよさそうな馬力持つ “重力操作”で押さえ込まんと睨みつけているのだが、
暴走状態ゆえか、抵抗力が半端ないようで。
「何なら骨も肉も一緒くたにして轢き潰そうか?」
加減しないで良いのなら、手っ取り早く“停止”させる手もなくはない。
周辺のあれやこれやを高々と浮かべてから一斉に降り注いでやってもいいんだがと、
イライラが高まりつつあるものか、不敵な笑みで口許を歪ませる、ちょっと小柄なお姉さま。
ポートマフィアの五大幹部が一隅、重力操作を得手とする、中原中也さんその人で。
引き締まった肢体へ貼りつく黒いスーツの裳裾や
少々長い目、ワイルドなシャギーカットにした赤い髪を、
斥力移動の余波が生み出す突風に弄ばれても、
その上へ乗っかっている黒い帽子はびくともしない。
そして、そんな乱暴な仕儀のお返事へ、
「良いわけないでしょ、そんな決着。
っていうか、そっちのミッチーとか連れて来ればよかったのに。」
金属操作のあの子なら、そこいらに落ちてる鉄くずとかで拘束具作って縛り上げてくれない?
作れはしても、それを手に持って、近づいてとっ捕まえにゃあならねぇだろが。
えー、触れてないものは操作できないの? 蛇みたいにうねうねうねって鎖部分で立ち上がって飛び掛かる手枷とかさ。
「グダグダ言うんじゃねぇよ。
何だったら手前んこと、人間魚雷よろしく相手へ投げつけたっていいんだぜ?」
何たって異能無効化だ、一番手っ取り早いからなと、
半ば本気か、ちろりんと流し目を送ってみせる、剛力自慢の姐様なのが怖い。
というか、
“……いいんだろうか、他人の異能の守秘義務。”
こんな開けたところで大声で話しても…と、
この場にいない立原さんの異能の話を始める先達二人へ、
おいおいおいおいとしょっぱそうなお顔になった敦ちゃんだったが、
(ちなみに、確かそういう操作も出来ますよね、金属片を飛ばしてたし。ねぇ道造さん。)
「……っ、人虎っ!」
気を抜いていたわけではなかったが、何しろ相手も半狂乱状態。
逃げ出すための攪乱とか陽動とか、そういう計算づくなことを仕掛けて来そうとは思えなくって。
動きに合わせて反応すればいいのではとどこかで高をくくっていたのかも知れない。
しゃにむな抵抗だろう、癇癪のように滅茶苦茶さで周囲のいろいろを飛来させてきた内の
結構大きなドラム缶が真っ向から飛んできて、
左右のどっちへ避ければという反射が一瞬遅れた。
「え?」
何なら真っ向から体で受け止めてもという油断もあったかも知れぬ。
何せ腕足跳ね飛ばされても再生できる困った身。
壮絶に痛いのは痛いけど、それで死に至りはしないという困った刷り込みが頭のどこかにあったのも事実で。
これで結構 場慣れしているはずな白虎のお嬢さんには珍しく、
避けなきゃあという俊敏さが凍りついてしまったものの、
ひゅん、っと
横手から伸びて来た漆黒の鞭の束が敦嬢の腰回りに絡まって、ひょいッと軌道上から避けさせている。
結構気温も上がって来たというに、それが一番異能を発動させやすいのか
相変わらずの漆黒のロングコート姿をした黒夜叉姫こと、芥川が、
すんでのところで回避へのフォローをしたらしく。
「何で“当たってもいいか”という姿勢をとるのだ。そういうところだぞ、貴様。」
「…ごめんなさい。」
雑魚が相手の時にそういう傾向が強い、そのうち足元を掬われるぞと、
目線を合わせる格好で相手を宙へと吊り下げたまま、
フリルが覗く袖口をふりふり、萎れる敦と向かい合ってお説教を始める龍之介嬢。
日頃は無表情で氷のようなと言われている黒のお嬢だが、
最近出来た いもうと弟子にはなかなか表情豊かだと評判だ。それはともかく、
「埒が明かんぞ、何か手はねぇのか。」
手っ取り早く畳めというのが何よりも優先されようお仕事だ。
あまりに時間を喰うと、どこやらからTVクルーのヘリとか駆けつけて来かねない。
租界があったり何の爆心地か“擂鉢街”なんてな物騒な禁足地があったりする土地柄ではあるものの、
真実を360度覆い尽くすなんて、
昨今の油断も隙も無い情報争奪戦と様々な機器の進化とを前に到底叶いはしないのが現状。
時間がかかってもいいのなら様々な搦め手も繰り出せようが、
どうやら一般人らしい異能者のプライバシーとか、このえげつない惨状とか、
誰の目にも触れさせずにパパパっと手際よく畳んできなさいというのが厳命なのであり、
君らなら出来るでしょ?と託された責任は重い…かもしれない。
“一番意気込んでるのはポトマサイドだってのが順番がおかしいかもだけどねぇ。”
以前にも話題になったけど、
把握していない異能者がいて、しかも結構な騒動を起こしたなんて、
そういった顔ぶれを火器として多数収用している組織としては
裏社会での面目が立たなくなるんだろうねという原則は、
もはや新人の敦ちゃんにも刷り込み済み。
国木田さんが居たらば貴様も意気込めと張り倒されそうなことを思ったのは、
お察しの通り包帯無駄遣いのお姉様です、あしからず。
「……じゃあ、こういう手はどうだい?」
別に名案ってのじゃあないけれど、短期決戦を最優先にしたいなら…と、
太宰嬢がにっこり笑って口にしたのが………。
◇◇
確かにうだうだやっていては芸がない。
その筋では名を売っている異能力者、しかも荒事専任の顔ぶれが集っているのだ、
ここはスパ~ンッと手早く方をつけるに限るだろう。
警察や消防の公務員の方々に
単なる人垣(状況によっちゃあ結構危険な最前線と紙一重だが)をさせておくのも忍びない。
さて、相手は当人さえ制御できない状態らしい“斥力”の異能者。
触れてか近づくだけでもなのかも不明ながら、物質の質量に見合う反発力を生じさせ、
それへと近づいた存在を弾き飛ばしたり分子レベルで粉砕したり、
かつては巨大な貨物船が着岸していた港湾の
恐ろしく頑健な地盤まで ぎちぎちと拉がせながら隆起させたりしているあたり、
なかなかの暴れっぷりを発揮してくれているわけで。
そうまでの威力ある斥力が一種の障壁にもなっていて、
敦ちゃんや中也嬢の桁外れな筋力を最大限に発揮しても接近がままならない困った現状。
異能者自身を潰していいなら…と赤毛の幹部様が物騒な例えを口にしたが、
それもそれで出来うるならば避けたい策である。
高度な風貌解析から直近の行動記録を検索した結果、
反社組織関わりの人物ではなさそうだと判明したためで、
慣れない事態の暴走がやがては力つきて収まるまで…なんて悠長なことも構えてはいられないとなれば、
「よし、準備は良いぜ。」
「ボクも いつでもいいよ。」
よく判らない竜巻もどきが荒れ狂い、霧雨と共に瓦礫が宙を舞う埠頭という、
武骨極まりない修羅場にしては、何とも朗らかなお声が立って。
フォーマルな黒装束のお姉様の懐には、
あちこち煤けた白シャツにミニキュロットといういでたちのお嬢さんがすっぽりとくるまれている。
結構難儀しているというに、心なしか虎姫ちゃんはにっこにこでおり、
そんな二人をほのぼの見守っているトレンチコートの女史が目配せをすれば、
黒夜叉の異能使いこと、龍之介嬢が足元の砂利を踏み固めつつ、
痩躯にまとうロングコートをはためかせると、
離れたここまでも届くものか、強大な斥力に押され弾かれて飛んでくるがらくたや瓦礫を叩き落としつつ、
仲間二人をぐるぐると搦めとり、頭上まで掲げてやや後方に一旦引いてから
せいッと勢い付けて前方へ投擲。
「いけぇぇっっ!」
寡黙な印象の龍之介さんには珍しく、一喝付きで投擲されたものの、
これであっさり通れば世話はなく。
重力の申し子たる中原幹部でさえ接近もままならなかった、
異能者自身を取り巻く斥力の障壁がググっと目には見えない圧を掛けて来る。
昔の子供遊びで良く登場した“バリア”というのがこんな感じなのだろか。
外からの干渉を寄せ付けない、強力な磁場のような抵抗。
目には見えないがかなり強力で、
着衣水泳とかこんな感じかな?などと、後になって的確そうな例えを考えてみたがそれはともかく。
数十mほどは中空を滑空して進めたのは、さすが重力操作のスペシャリストで、
だがだが、何だったらそのまま沖まで飛んでけるのが常のポテンシャルな幹部様をして、
強固な抵抗には抗い切れず、両者の力が拮抗したかのように中空でその身が減速してゆく。
「チィッ、これ以上は無理か。」
何の機器もなくの滑空自体が奇跡の所業だが、
この姐様が力負けして途中で着地を余儀なくされるなんて、相当に強い抵抗がある模様。
数mほどはそのまま駆けてみたもののすぐにも押しに負けそうになり、
「圧の境目、判るか?」
端的な言い様へ、だがそれで充分なのか、敦がうんと頷いて見せる。
姐様の懐から降ろされて、そのまま背を押されて駆け出した白の少女は、
さすがに勢いこそすぐにもゆるく減速したものの、
駆け足は続けたし、飛んでくる飛来物も鮮やかに避けてゆき、
“あ、中也さんの異能が弾かれてる。”
判りにくかったものの、敦をくるんで送り出してくれた中也の異能、
感触のようなものには重々馴染みもあるので間違えたりはしない。
その重力が、拮抗の限界か薄れた瞬間を見逃さず、
抵抗が少ないようにと懐へ引き寄せていた両手を構えると力強く指を立てる。
鷲掴みのような格好に構えれば、
手の甲が筋張って、少女らしい手がぐんっと膨らみ、
肘あたりまでを毛並みにくるまれ、指先からは黒々とした鋭い爪が飛び出した。
その手を前方へぶんっと一閃しつつ、
「いい加減にしなさいっ!」
空間を虎の爪で掻き回すと、そこに満ちていた斥力も刻めたか、
圧力が段違いに緩んだため、そのまま駆け抜け、
間近になった相手へ引っ掻くように爪をかざせば、
「…っ!」
斥力の滅茶苦茶な発生で生じていた疾風に
くしゃくしゃと掻き回されていた髪が幾筋か切り裂かれ、
それで相手の異能にも直接触れた格好になったらしい。
白虎の爪には異能を切り裂いて抹消する作用があるとは、龍之介さんの証言で、
それを切り札にして異能を解けば…と相成ったのだが、
目に見える威力や効果でなし、裏社会の人でもない本人へ切りかかるのは…と
困ったように眉を下げた敦ちゃんへは、
『多少の怪我は、与謝野先生に治してもらやいいんだし。』
何か恐ろしいことを言ってた人がいたが、それもさておいて。
やっとのこと異能を掻き消すと、
素早く相手の間近までへと駆け寄った敦ちゃん。
髪やらブラウスやらが肌に貼りつく不快さも何のそので、
持参していた荒縄をびぃんと引き延ばすと、
どこの梱包担当ですかという手際の良さ、
独楽回しの準備もかくやと相手を二の腕と胴をひとまとめにしてぐるぐると縛り上げてゆく。
異能が消えたことで斥力も消えて、宙に浮いてた恰好のあれやこれやが落ちて来かかるが、
「色々落ちてくんのは気にすんな、アタシが弾き飛ばすから。」
「はいっ。」
いつの間にやら追い着いて来てくれた中也さんが
自身の異能で障壁を貼ってくれていて問題はない。
間近での声が届いたか、そしてさすがに就縛されている状況にギョッとしたものか、
容疑者くんが途中で我に返ったところも見逃さず、
「おっと発動はさせないよ。」
「太宰さんっ。」
ぐるぐる巻きに使った縄の先、分銅を提げてた側を敦が思い切りぶん投げたのは太宰へで。
そちらも余裕で歩み寄ってたままに難なく受け止めた途端、
彼女の開放型異能“人間失格”が発動したらしく、
「……っ!」
制御不能だったことをずぼっと忘れているものか、
起動で感じていたらしい手ごたえが一切感じられないことへ大きく目を見張り、
自分を取り囲む女性らをぎょろぎょろと見回し始める。
「……、…え?」
やっと片付いたかという微笑を見せる美人さんたちの、
余裕の波動が何とはなく不穏だったか、
周囲を見回し始めたその視野へ、遠隔から一気に近づいて来る制服姿の一団も映ったのだろう。
驚愕の表情のままその場へ膝から落ちたのを合図にするかのように、
機動隊の一斉突入よろしく、公的な関係筋の方々が現場へと近づいてくる。
「対象者は特務課へ預けることになるのかな?」
「そうなるんだろうね。色々と刷り合わせないといけないだろうし。」
まま、私たちは報告書提出で済むだろうけどと、
捕縄代わりの荒縄を、近づいてきた中のスーツ姿の事務官へ手渡して、
実行部隊のお勤めはこれにて終了と言わんばかり、
皆して順番に安堵の吐息を漏らしたり、う~~んと背伸びをしてみたり。
何せ突貫、とっとと方をつけよと呼び出された緊急事案だけに、
段取りや何やもこの場で思いついたことをやっただけ。
だからこその当事者からの報告は必須だろうがと、どっかの堅物な女史が怒鳴りそうだが、
「動画や何やで記録は取ってたんでしょ?
どうしても辻褄合わせが難しいとかいう箇所が出たら、その都度に連絡してよ。」
ま、安吾が居るんだし、この級の騒動は初歩もいいとこだから慣れてもいるでしょうけれどと、
蓬髪グラマラスなお姉さまがふふんと笑い、
「探偵社への報告、今回くらいは手前がやれや。」
「え~~~?」
お返事も待たず、霧状の地下水の噴出でびしょ濡れだった小虎ちゃんを肩の上へかついだ幹部様が
とっとと埠頭の区域外へと向かって歩き出しており。
大方、びしょ濡れなことや砂まみれで汚れたので、ご自宅のお風呂へ放り込む所存なのだろう。
ある意味立派な“誘拐”みたいなものだが、
略取されてるお嬢さんがそれは嬉しそうなので、やれやれと太宰が肩をすくめ、
やはり傍らにいた龍之介嬢の二の腕を捕まえる。
「じゃあ、そっちへの報告は君が担当するのかな?」
「そ、そうなることと。」
「作戦があってという対処じゃあなかったし、ちゃんと仔細までってのは大変だろうねぇ。
うんうん、じゃあ仕方がないから私がフォローしてあげるよ。」
彼女らの“日頃”を知っている顔ぶれがおれば、何を白々しいと苦笑されただろうやり取りだったが、
あいにくと今は他所の署員や職員の方々しかおらず。
あれこそは現場担当、活劇をこなしたエージェントの方々だ、
わあ勇ましいなぁ、かっこいいなぁ、お疲れ様ですという視線しか届かない、
ある意味いたって平和な世界。
魔都なんて呼ばれていても実情はこんなもんですよと、
皆さんの頭上をよぎった陰の主、一羽のかもめがなめらかに風に乗り、
さざ波が煌めく沖を目ざして飛んでったヨコハマの朝ぼらけ。
~ Fine ~ 24.06.18.~ 06.24.
*お久し振りでございます。生きてました。何とか1作書けました。
おにゃのこたちでなくても…と思わんでもなかったのですが、
原作設定のままだと成長期真っただ中な敦ちゃんを抱える中也さんってのがちょっと
あとあとで太宰さんが盛大にからかうだろう、問題出そうな構図になりそうだったので。(おいおい)
敦ちゃんのBDに間に合わず、太宰さんのBDにも間に合いませんでした。すみません
ついついドカバキを書きたくなったものの、
異能者相手となると小理屈をついつい捏ねたくなる性分を何とかしたいです。

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